2017-01-01から1年間の記事一覧

茶葉缶詰があった?

缶入り茶 と言えば、液体のお茶が缶に入っているのをイメージしますが、 缶詰茶葉があったようです。 『貿易茶物語』(前の記事でもご紹介してますね) 「静岡茶の静岡駅にて販売」 大正十年吉川合名の社長らが、煎茶一ポンド入り缶詰を茶業宣伝のため、静岡…

日本茶が着色されていた??混ぜ物もあった??

明治17年に静岡県茶業取締所が設置され、 輸出用の日本茶に他の植物などの葉や茎を混ぜたり、 粗悪な茶を製造することを禁止してきました。 着色については・・・ 茶製造の時点では禁止していましたが、 輸出用の「仕上げ過程」では、輸出当初から外国商で中…

輸出茶ラベル「蘭字」を読む 「サン・ドライド」という日本茶とは?

「サン・ドライド」という日本茶とは? 明治、大正、昭和の日本茶の輸出茶ラベル「蘭字」を読むと、 Sun Dried(サン・ドライド) というお茶の種類があったことがわかります。 そのまま直訳すると、日干し(番茶)のことかな?と思ってしまうかもしれません…

蘭字(輸出茶ラベル)から読む日本茶の輸出

「発見された蘭字から読み取る茶の輸出の変遷~富士製茶会社を中心に~」 菊川レンガ倉庫で2017/5/27に蘭字の講演会がございました。 輸出茶用のラベル「蘭字」と言えば、皆さんが今まで目にしていたものは、明治、大正、昭和初期、つまり戦前のラベルが中心…

台湾の輸出茶ラベル(蘭字)調査のご報告

台湾に残された輸出茶ラベル「蘭字」を調査に行ってきました。 月刊『茶』に寄稿させていただきましたので、ブログにもご紹介しておきます。 原稿にも書きましたが、台湾の茶博物館では、動画投影による効果的な展示が多く、製茶機械なども動いているところ…

日本の「みどり茶」~明治時代、アメリカ人はミルクや砂糖を入れて飲んでいた?

明治時代、主にアメリカに輸出されていた「緑茶(みどりちゃ)」、 そして「紅茶(べにちゃ)」と、 ロシア向けの「磚茶(かわらちゃ)」について、 保田安政という方が書いた、読みやすい商学のテキスト『商人百夜草 : 家庭教育. 下』このように記されてい…

日本の紅茶製造のはじまり ~静岡では中国式が採用された

明治初期、日本が紅茶の製造を始めたとき、政府は「中国式」を最初に採用し、すぐに「インド式」に変えました。 この中国式とインド式というのは「どう違うのでしょうか?」という疑問が残ります。 資料からわかる範囲では、 中国式は、明治7年に政府が発行…

輸出茶ラベル「蘭字」を読もう! ~日本茶のランクについて

輸出茶ラベル「蘭字」を見ていると、 Fine、Choiceなど・・・ 等級を示す文字が書いてありますよね。 はたして、どれが一番良いお茶を示すのでしょうか。 明治時代、京都の平民 田中清左衛門という人が書き残してくれた『茶製家必携製茶緊要方法録』(p12)…

戦時下の日本茶の製法について~ロンドンのティーマンの味覚を落とした統制

戦時下の日本茶の製法について、資料を見つけたのでご紹介します。 前段として・・・ 終戦後、昭和27年に海外視察に行った茶業者の報告書のお話から最初に。 (写真:「日本茶市場としての北阿弗利加事情」日本茶輸出組合、昭和27年) 日本紅茶株式会社柚原…