輸出茶ラベル「蘭字」を読もう! ~日本茶のランクについて

輸出茶ラベル「蘭字」を見ていると、

 

FineChoiceなど・・・

等級を示す文字が書いてありますよね。

 

はたして、どれが一番良いお茶を示すのでしょうか。

 

明治時代、京都の平民 田中清左衛門という人が書き残してくれた『茶製家必携製茶緊要方法録』(p12)に、

 

明治期の輸出用日本の緑茶に対し、外国商社が付けたランク(茶銘)がありました。

 

しかし、読んでみると・・・

 

1等「チョイヲイスチス

2等「チョイヲス

3等「フェンチース

4等「フェン

5等「クルミリン

6等「ミリン

 

なんのことやら、、、と思いませんか?


しかし、蘭字とよく照らし合わせて読んでみてください。

 

チョイオイスチスとは、Choicest

チョイヲスは、Choice

フェンチースFinest

フェンFine

クルミリンGood Medium

ミリンMedium

 

 

と、謎解きができます。

当時の英語を習ったことがない日本人が、耳で聞いて書き留めた音です。

 

ここから、蘭字に書いてあるお茶のランクも読めてきますね。

 f:id:yoshinoako:20170302204230j:plain

 

(写真 四郷郷土資料館所蔵品)

 

そして、明治34年『Formosa Oolong Tea』には、日本統治下の台湾での輸出用ウーロン茶のランクについて書いてあります。

 

ウーロン茶はブランドがあり、最近はアモイ(中国)やアメリカで、以下の8段階の等級に選別されている。

  1. Choicest
  2. Choice
  3. Finest
  4. Fine
  5. Superior
  6. Good
  7. Fair
  8. Common

 

台湾の蘭字調査にもしてきましたので、

台湾の蘭字のお話しについては、また別にお書きすることにします。

                 

吉野亜湖 (茶道家・茶文化研究者)
静岡大学非常勤講師