2023-01-01から1年間の記事一覧

お茶の時間に最適なのは何時?答えは・・・(1)

お茶の時間「ティータイム」はいつ? 答えは、“All Time” 『ALL ABOUT TEA』の著者ウイリアム・H. ユーカースが主筆をつとめた業界誌『ティー&コーヒー トレード・ジャーナル』に、小売店のための広告案という記事がありました。「ティータイムに最適なのは…

ティーバッグの歴史(1)『ALL ABOUT TEA』と

ティーバッグはいつから?そして日本茶のティーバッグは初期のころからあったのか? ユーカースの『ALL ABOUT TEA』(1935年)を中心に調べてみたいと思います。 wikipedia(2023.11.23閲覧)には、 ティーバッグは1908年にコーヒー貿易商であるトーマス・サ…

世界初のお茶の真空パックに日本茶!『ALL ABOUT TEA』から

講演会などではすでにお話していますが、『ALL ABOUT TEA』に掲載されている「初の茶の真空パック 1900年」は、日本茶!だったのです。(下図) W.H.Ukers"ALL ABOUT TEA" 1935,Ⅱ279. 日本では「ヒルスコーヒー」(サンフランシスコ本社)で知られる「ヒ…

汽車土瓶(汽車茶瓶)とユーカース

『ALL ABOUT TEA」の著者W.H.ユーカースが、大正13年に来日。 ユーカースが驚いたのは・・・ 日本ではほぼすべての駅で、温かい緑茶のR・T・D=「ボトルティー」が買えることでした。 (そして私が驚いたのは)同様にインド・セイロン紅茶の浸出液も、茶色…

ユーカースが見た明治の日本茶2

『ALL ABOUT TEA』の著者ユーカースの明治40年の日本訪問記を読んでいます。 『Tea&Coffee Trade Jouranal』1907年13号(ニューヨーク市立図書館所蔵)から Tea in Formosa and Japan その4 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー About Japanese Tea C…

ユーカースが見た明治の日本茶1

『ALL ABOUT TEA』の著者ユーカースの明治40年の日本訪問記を読んでいます。 『Tea&Coffee Trade Jouranal』1907年13号(ニューヨーク市立図書館所蔵)から Tea in Formosa and Japan その3 ーーーーーーーーーーーー いよいよ日本茶編です。 Tea in Japa…

ユーカースが見た台湾と日本の茶2

ユーカースが見た明治の 「台湾と日本の茶」2です。 『ALL ABOUT TEA』は大正13年に日本と台湾に調査に来てますから、 こちらの記事は明治期なので、重要な記録なのです。 1のつづき・・・ Tea in Formosa and Japan 台湾の昨今の動きについて 価格競争に…

ユーカースが見た「台湾と日本の茶」

台湾と日本の茶 『ALL ABOUT TEA』の著者ユーカースが主筆を務める『Tea & Coffee Trade Journal』(1907年13号)の記事ですが、 なんと、表紙が大谷嘉兵衛!(まだ若い雰囲気で感動) ユーカースは、早く父を亡くし、大谷嘉兵衛を「第二の父」と慕っていま…

煎茶の淹れ方(1) いつから湯冷ましをすすめたのか?

煎茶の淹れ方 いつから湯冷ましを推奨するようになったのか? 近代の茶の淹れ方について調べてほしいという宿題をいただきました。日本茶インストラクターのテキスト等で、煎茶を淹れるときは70度くらいに湯を冷ましてと教わりました。(私は10期生なの…

「煎茶」と書いて「いりちゃ」と読む?ー明治の茶業書『製茶新説』から

前回、茶の木に「雄」「雌」があるということで、ご紹介した明治の茶業書『製茶新説』は、明治六年の刊行ですから、幕末くらいから明治初期の日本茶について読める本だと思います。そこで、この書にある明治初期の製茶法について、まとめてみました。 すると…

お茶の木に雄雌がある? 明治期の茶業書『製茶新説』から

増田充績編『製茶新説』(三省書屋)は、「実施経験」から書かれた茶の栽培製造者向けの実用書です。日本茶の輸出が盛んになってきた明治六年の出版です。 渋沢栄一が、あとがきを書いて推薦しています。 『製茶新説』渋沢栄一あとがき(国立国会図書館デジ…

ヨンコン茶?グリ茶?玉緑茶?ー昭和の日本茶

「ヨンコン茶」は、「グリ茶」または「玉緑茶」とも呼ばれます。 昭和初期、中国の勾玉状の釜炒り製緑茶を模して、蒸し製で製造の工夫がされました。 昭和初期 大正末に日ソ国交が復興し、「ソ連(南露)」に玉緑茶、北部アフリカと西アジアに玉緑茶と紅茶と…

知られざるお茶の裁判 (1) カーター&メーシー編

日本茶の最大輸入国であるアメリカで起きたお茶の裁判をいくつかご紹介したいと思います。まずは、大正時代のお話です。カーター&メーシー商会が、「これは納得ができない」と訴訟を起こします。1915年6月に勝訴判決が出ています。静岡にも支店があった全…