紅茶の鑑定用語

静岡県茶業試験場の研究員でいらした森薗市二氏。

彼が残された文書や研究報告から、

手書きのメモで紅茶の鑑定用語がありました。

それをメモしたものです。

紅茶好きの方に頼まれていたのに、すっかりお伝えするのを忘れておりました。茶の文化振興の一助となればと、こちらでご紹介させていただきます。

深蒸し茶のルーツ』を調べているときに、氏の書き残されたものにあたり、生前お会いすることは叶いませんでしたが、尊敬する研究者の一人です。

(紅茶鑑定用語)昭和の手書きメモより

Autumnal

秋生産茶

bakey

焦げ臭い

biscuity

ビスケットのような火入れ香

body

コクのある

brassy

金属味

bright

濃い澄んだ色

brisk

生気ある新鮮味

burnt

焦げ臭い火入れ香

burn

火入れ香

character

特性

choppy

細切れの茶葉

clean

そろった選別された茶

coarse

粗い(水色、茶葉ともに言う)

color

水色

colorly

水色の良い

common

並クラス(plainより下位)

clrepy

細く締まっている

croppy

新鮮味豊かな

curly

ねじれた

dull tip

冴えない芽

dust

粉茶

earthy

土臭い

empty

空味

even

揃ってる

fannings

浮葉

open

ねじれていない=flaky

flat

気抜けした

dark

うす黒い(水色がさえない)

discolored leaf

色あせた茶葉

dry

乾上がっている(焦げ臭い味)

dull

冴えない(水色)

flavory

風味よい

fruity

果実味ある フルーティー

full

欠点なし

fully fired

十分火入れされた

gone off

樹勢なくなり盛りを過ぎた茶

grassy

青臭い

glass

濃度=density

hay

乾草臭い

thin

薄い

tip

芽先

heavy

葉が分厚い・水色濃く重苦しい

high fired

火入れが強すぎた

hungry

特性が欠けている

irregulaor

不揃い

knobbly

小さいこぶ状に丸まってる

uneven

不揃い(仕分け不十分)

light

薄い水色で風味香りが良いもの

make

上出来

malty

甘い風味(高い火入れによる) 麦芽のような

garden mark

茶園表記

mellow

円熟したよくなれた茶

row

未熟の茶

metallic

金属味

milled

挽かれたような細かい茶

mature

円熟・熟成茶

mixed

混合茶(茶かすを混ぜるなど)

neutral

平凡な茶

nose

におい良い

natty

風味に富む

flacky

薄っぺらな茶(開きすぎ)

pale tip

青白い芽(黄金芽の対照にある)

plain

単調な

point

特徴

pre-autumnal flavor

初秋茶の風味

pungent

刺激強い風味

quality

品質

row

生、未熟な茶

raged

不揃い

rich

濃厚な、円熟した

round

欠点ないまずまずの

scorched

焦げてる

self-drinking

ブレンドせずに単独で飲める茶

semi-leaf

準葉型(カットしてあるが伸ばして成形した茶葉)

shelly

貝殻状(多少撚れているが平ぺったい茶)

shotty

弾丸のような丸い茶(gun power)

smoky

煙臭い

soft

腰が弱い

dullness

ぼけた

sour

酸味

stale

気抜けした(風味)

stalky

茎の多い

steamed

蒸し煮したした風味

sticky

棒の多い

strength

強い

sweaty

むれ臭い

sweet

甘い

tippy

新芽

tired

気の抜けた

weak

薄い

weathery

雨にあったった

wiedy

草味

wild

大味

winey

葡萄酒味ある

woody

木臭い


吉野亜湖(茶道家・茶文化研究者)

静岡大学非常勤講師

ふじのくに茶の都ミュージアム客員研究員

(財)世界緑茶協会評議員
静岡県立大学グローバル地域センター静岡茶の世界を考える懇話会」メンバー

茶の湯文化学会会員・日本茶インストラクター