輸出茶ラベル「蘭字」が伝えた日本茶ブランド 初のアメリカ調査を行いましたので、ご報告申し上げます。 PDFで公開しています。 以下のURLをクリックしてダウンロードください。 https://1drv.ms/b/s!AmlI3_73OM-xgjL8GcvLH6LMcAdi DNP(大日本印刷)文化財…
吉野亜湖「海をわたった菊川茶2」配布資料 二〇一八年六月十日 【おんぱく】菊川レンガ倉庫講演会 日本茶とアメリカの水 一月、米国・サンフランシスコにて開催された米国西海岸最大級の高級食品見本市「ファンシーフードショー 」、ニューヨークの全米茶業…
市中の山居 ウェブを検索すると、「市中の山居」とは利休が求めたところ~という内容の記述が多く、さらに出典も出てこないため、守屋毅『喫茶の文明史』から自身のメモとして以下にまとめておきます。 山居の躰・市中の陰 公家の鷲尾隆康が、宗珠(珠光の養…
「茶道家って製茶について知らないですよね」 茶道の先生というのは、茶の生産や製造に興味ない人が多いように思いますと、茶業者の方から言われたことがあります。 今回は、抹茶の生産現場を見せていただきましたので、覚書としても書き残しておきたいと思…
宇治の茶園清水屋さんにて、本簀(ほんず)栽培の藁振り作業を見学させていただきました。 宇治 上林記念館所蔵 江戸時代(文化五年)の茶園の藁振り作業の画 2018年4月12日 スウェーデン人の日本茶伝道師ブレケル・オスカル氏作業の画 抹茶用の碾茶(てんち…
缶入り茶 と言えば、液体のお茶が缶に入っているのをイメージしますが、 缶詰茶葉があったようです。 『貿易茶物語』(前の記事でもご紹介してますね) 「静岡茶の静岡駅にて販売」 大正十年吉川合名の社長らが、煎茶一ポンド入り缶詰を茶業宣伝のため、静岡…
明治17年に静岡県茶業取締所が設置され、 輸出用の日本茶に他の植物などの葉や茎を混ぜたり、 粗悪な茶を製造することを禁止してきました。 着色については・・・ 茶製造の時点では禁止していましたが、 輸出用の「仕上げ過程」では、輸出当初から外国商で中…
「サン・ドライド」という日本茶とは? 明治、大正、昭和の日本茶の輸出茶ラベル「蘭字」を読むと、 Sun Dried(サン・ドライド) というお茶の種類があったことがわかります。 そのまま直訳すると、日干し(番茶)のことかな?と思ってしまうかもしれません…
「発見された蘭字から読み取る茶の輸出の変遷~富士製茶会社を中心に~」 菊川レンガ倉庫で2017/5/27に蘭字の講演会がございました。 輸出茶用のラベル「蘭字」と言えば、皆さんが今まで目にしていたものは、明治、大正、昭和初期、つまり戦前のラベルが中心…
台湾に残された輸出茶ラベル「蘭字」を調査に行ってきました。 月刊『茶』に寄稿させていただきましたので、ブログにもご紹介しておきます。 原稿にも書きましたが、台湾の茶博物館では、動画投影による効果的な展示が多く、製茶機械なども動いているところ…
明治時代、主にアメリカに輸出されていた「緑茶(みどりちゃ)」、 そして「紅茶(べにちゃ)」と、 ロシア向けの「磚茶(かわらちゃ)」について、 保田安政という方が書いた、読みやすい商学のテキスト『商人百夜草 : 家庭教育. 下』このように記されてい…
明治初期、日本が紅茶の製造を始めたとき、政府は「中国式」を最初に採用し、すぐに「インド式」に変えました。 この中国式とインド式というのは「どう違うのでしょうか?」という疑問が残ります。 資料からわかる範囲では、 中国式は、明治7年に政府が発行…
輸出茶ラベル「蘭字」を見ていると、 Fine、Choiceなど・・・ 等級を示す文字が書いてありますよね。 はたして、どれが一番良いお茶を示すのでしょうか。 明治時代、京都の平民 田中清左衛門という人が書き残してくれた『茶製家必携製茶緊要方法録』(p12)…
戦時下の日本茶の製法について、資料を見つけたのでご紹介します。 前段として・・・ 終戦後、昭和27年に海外視察に行った茶業者の報告書のお話から最初に。 (写真:「日本茶市場としての北阿弗利加事情」日本茶輸出組合、昭和27年) 日本紅茶株式会社柚原…
静岡のお茶が近代になり、輸出に向けて製法が固定されていく前、 明治以前は、どのような茶が作らていたのでしょうか?『茶業五十年』『静岡県再製茶業組合略史』『静岡県再製茶業史』などに、 「黒製」の静岡茶の製法について記載があります。 江戸時代の天…
維新の際、旧旗本の人々を静岡に移した時の 勝海舟による~静岡の茶文化の話~に目が留まりました。 海舟の談話集『氷川清話』「兵站の記録」の中で、語られています。 「一万二千戸よりほかにない静岡へ一時に八万人も入り込むものだから、」とあり、当時、…
アイノ茶の語源は、これか?と思われるお話し・・・・ 幕末から日本茶の海外輸出が始まり、輸出向けに仕上げ加工の手法の違いで、主に3種類のお茶がありました。①篭(バスケット)を用いて火入れ乾燥するバスケットファイヤード=篭茶 ②釜(パン)を用いて…